<Header>
<Author: 杜甫>
<Title: 石壕吏>
<Format: 樂府詩>
<Year: 2000>
<BookName: 校注唐詩解釈辞典>
<Translator: 松浦友久>
<style: 現代文無假名>
<style2: 日本現代譯文無假名標注>
<TranslatedTitle: 石壕（せきがう）の吏（り）>
<BookPage: 367>
<UsedPage: 1>
<Feature: 1, 2, 4>
<End Header>
<Poem>
暮投石壕邨，
有吏夜捉人。
老翁踰牆走，
老婦出門看。
吏呼一何怒，
婦啼一何苦。
聽婦前致詞，
三男鄴城戍。
一男附書致，
二男新戰死。
存者且偷生，
死者長已矣。
室中更無人，
惟有乳下孫。
有孫母未去，
出入無完帬。
老嫗力雖衰，
請從吏夜歸。
急應河陽役，
猶得備晨炊。
夜久語聲絕，
如聞泣幽咽。
天明登前途，
獨與老翁別。
<End Poem>
<Translation>
日暮れに、石壕の村に宿をとった。官吏がやって来て、夜分に人をつかまえている。老夫は家の土坪を越えて逃げ、老婦が門口に出て官吏と応待した。
官吏の大声は、なんと 怒気に満ちていることか。老婦の泣き声 は、なんと辛そうであることか。老婦のすすみ出て$官吏に$申し
上げるのに、わたしは聞き耳をたてた。「三人の息子は、鄴城で守りにつきました。一人が手紙を人に託してよこしましたが、$それによれば$二人がこのたび戦死したとのこと。存命の息子は、いまのところはどうやら生きのびていてくれていますが、死んだ二人の息子は、永遠におしまいです。家の中には、まったく男はおりません。ただ乳離れしていない孫がいるだけです。この孫がいるので、$寡婦になった$母親はまだ家を去らず$里に帰らず$におりますが、おもてに出るにも満足なスカートもない始末です。このばばは体力こそ衰えていますが、おねがいです、お役人さまに従って、夜のうちにも行くところに行く所存です。すぐにも河陽の労役に参ずれば、これでもまだ朝飯を仕度するぐらいはできるつもりです。」
夜もふけて、話し声も途絶えると、ひそかに暇び泣くのが聞こえ
たような気がした。夜明けに旅路につくときに、ただ老翁にだけ別れの挨拶をしたのだった。
<End Translation>
<Formatted Translation>
日暮れに、石壕の村に宿をとった。
官吏がやって来て、夜分に人をつかまえている。
老夫は家の土坪を越えて逃げ、
老婦が門口に出て官吏と応待した。
官吏の大声は、なんと 怒気に満ちていることか。
老婦の泣き声 は、なんと辛そうであることか。
老婦のすすみ出て$官吏に$申し上げるのに、わたしは聞き耳をたてた。
「三人の息子は、鄴城で守りにつきました。
一人が手紙を人に託してよこしましたが、
$それによれば$二人がこのたび戦死したとのこと。
存命の息子は、いまのところはどうやら生きのびていてくれていますが、
死んだ二人の息子は、永遠におしまいです。
家の中には、まったく男はおりません。
ただ乳離れしていない孫がいるだけです。
この孫がいるので、$寡婦になった$母親はまだ家を去らず$里に帰らず$におりますが、
おもてに出るにも満足なスカートもない始末です。
このばばは体力こそ衰えていますが、おねがいです、
お役人さまに従って、夜のうちにも行くところに行く所存です。すぐにも河陽の労役に参ずれば、
これでもまだ朝飯を仕度するぐらいはできるつもりです。」
夜もふけて、話し声も途絶えると、
ひそかに暇び泣くのが聞こえたような気がした。
夜明けに旅路につくときに、
ただ老翁にだけ別れの挨拶をしたのだった。
<End Formatted Translation>